スーメタル考

スーは日本の宝であることは論を俟たないと思う。 スーの歌は何故人々を惹きつけ、そして聞いているだけで海外の人々でも 日本語で正確に発音できて歌えるのだろうか・・ スーは決して歌詞を崩さない!音を崩さない! 一つ一つの言葉をハッキリとした正確な日本語で発音して メタルという爆音の矢に乗せてこの胸に突き刺してくる。 濁りの欠片もない澄み切った天使の様な、 それでいて意志をもったカミソリの様な鋭利さで。 このようなシンガーはジャンルを問わず世界に二人といない。 特に日本のロックは、とかく技巧に走り上手く聞こえる事が優先され 歌詞を英語もどきに崩し、音を崩し何を歌っているのかサッパリ分からない。 しかし上手く聞こえるという効果はあるのでヘタほど技巧を重ねる。 ドキモを他の歌手が歌えば、まず100%何を歌っているのか分からない筈だ。 スーをウマイヘタで語ること自体がナンセンス。 スーの歌声は何の虚飾もない、いわゆる裸だ。裸の歌声だ。 純粋で生まれたままの無垢なハイトーンだ。これが胸に突き刺さる。 そして胸が熱くなり、いい歳をした大の男が気づけば涙を流している。 正確な美しい日本語を発生し正確に音程リズムを刻み ゴマカシのビブラートやファルセットを用いない。 ハイトーン・ジョップリン歌唱法を用いない。 だからこそスーの歌声はその日の身体の調子に左右されがちだが これもまたスーの魅力の一つだ。 その日のライブを常にある種の緊張感をもって体験できる。 サア、今日のスーの体調はどうだうか。